会計事務所事業承継・M&A支援室

忠丘正之さん（仮名）は、事務所の後継者を一人娘の由香さんにと考えていたが、由香さんは5科目合格に至らなかった。しかし彼女が予備校で出会い結婚した夫が試験合格を果たす。忠丘さんは由香さんの代わりに義理の息子を事務所に迎え、後継者として育てることにした。

由香さんの夫は優秀で、経営者としての素質も十分だった。忠丘さんは「これで事務所を任せることができる」と安心していた。
ところが、由香さんと夫が離婚することになり、事態は一変。忠丘さんは「プライベートと仕事は別の話。親族ではなくなっても事務所の将来は君に任せたい」と夫を必死に引き留めたものの夫はそれを固辞し、事務所を離れて独立してしまった。
忠丘さんは「今さら新しい後継者候補を探すのは難しい」と頭を抱え、事業承継支援室に相談した。
 

事業承継支援室のコメント
後継者と見込んでいた大切な人物が突然離れていってしまった！というのはよく聞く話です。とはいえ税理士業界全体で優秀な人材の奪い合いが発生している状況で、新たな後継者を探し出して一から育てるのも非常に難しいことだといえます。
事業承継支援室は忠丘さんと話し合いながら複数の選択肢を提示し、結果的に県外の税理士法人との経営統合が決まりました。
忠丘さんは現在、税理士法人の支店の代表として勤務されています。将来引退する際は、本店の代表社員が事務所を引き継いでくれるそうです。